Nov 4, 2018

【撮影基礎講座】露出の三要素 ~絞り編~


皆さんごきげんよう。よっしーです。

そのうち書こうと思いながら
気づいたら序章書いてから
丸一年経ってました(笑)

そんなこんなで第二回の絞り編です。
前回の序章を読んでない方は
こちらを先にどうぞ

絞りの効果については
前回ざっくり解説しましたが、
今回はもう少し詳細にみていきます。


目次 
  • 絞りの変え方
  • 絞りで何が変わるの?
  • 明るさの変化
  • ボケの量の変化
  • 光条の変化
  • 画質も変わる
 
絞りの変え方
絞りがどういうものかは前回の序章で
ざっくり解説しましたが、
そもそも絞りってどうやって変えるの?
って人もいるかと思います。

絞りを変えるにはカメラのモードを
絞り優先モード(Aモード)
または
マニュアルモード(Mモード)に設定します。
機種によりますが、その状態でダイヤルを回すとF値が変わったりすると思います。

絞り優先モードは絞り(F値)だけを設定してシャッタースピードはカメラが自動で設定してくれるモード
マニュアルモードは絞り(F値)シャッタースピードを自分で設定するモードです。

絞りで何が変わるの?

前回も軽く解説しましたが、
絞りを変更すると様々な影響があります。

  • 明るさ
  • ボケの量
  • 光条
  • 収差の軽減
  • 回折現象(小絞りボケ)


明るさ、ボケ、光条の3つについては
次項以降で実写の例も見ながら解説していきます。


明るさの変化

前回も説明しましたが、
絞りを一段絞ると
露出(写真の明るさ)が一段暗くなります。

では実際に実写サンプルを見ていきましょう。





これはF2.8で撮った写真です。
後の変化がわかりやすいように
少しハイキーで撮ってるので明るめの写真です。





次は2段絞ってF5.6です。
明るさの比較のためにシャッタースピードは固定にしてます。
さっきより暗くなって
標準露出よりやや暗いぐらいです。





さらに2段絞ってF11です。
だいぶ暗くなってローキーな写真になってます。





そこからさらに2段絞ってF22です。
かなり暗くなってしまってます。
ここまで来ると完全な失敗写真といった感じですね。




このように絞りは絞れば絞るほど暗くなります。
屋外の撮影でどうしても白飛びしてしまうような時は絞って撮影します。
逆に屋内などの暗いところの撮影では開放にして明るさを確保します。





ボケの量の変化

絞りを絞ると
被写界深度(ピントが合って見える範囲)が深く(広く)なります。
それによって絞れば絞るほど
手前から後ろまで広い範囲に
ピントが合って見えるようになります。

では実写サンプルを見ていきましょう。





これはF2.8で撮った写真です。
ピントを合わせたダンボー以外の前後が大きくボケています。





次は2段絞ってF5.6です。
今回は明るさをなるべく均一にするため
シャッタースピードは調整してあります。
前後はまだボケてますが、
さっきよりボケ方が弱くなってると思います。





さらに2段絞ってF11です。
後ろの黒いニャンボーが
はっきり見えてきました。





そこからさらに2段絞ってF22です。
前後の猫もはっきりしてきて、
後ろのこうじ君の文字も
読めるようになってきてます。




このように絞りは開くと大きくボケて
絞れば絞るほど前後まで
ピントが合うようになります。

お花やポートレートは開放でボカしたり。
風景や夜景なんかは絞って広い範囲に
ピントを合わせたりというように
使い分けたりします。


光条の変化

逆光の太陽や夜景の街灯がウニのように
トゲトゲになった写真を見たことないでしょうか?

あのトゲトゲを光条と言って
絞れば絞るほどに鋭い光条が出てきます。

では実際に実写サンプルを見ていきましょう。





これはF2.0で撮った写真です。
神戸大橋のライトに注目してみるとまだ
光条は出ておらずぼんやりしています。





次は2段絞ってF4です。
若干光条らしきものは出てきましたが、
まだ弱いです。





さらに2段絞ってF8です。
だいぶ光条が出てきました。
僕が普段夜景撮るときは
このぐらいで撮ることが多いです。





そこからさらに2段絞ってF16です。
光条がさらに鋭くなってきました。
特に光条を強調した写真を撮りたい時は
このぐらい絞って撮ることもあります。




このように絞りは絞れば絞るほど
光条が鋭くなってきます。
夜景や逆光の太陽をトゲトゲさせたい時は
絞って撮ってみましょう。


画質も変わる

さて、ここからは実写サンプルを用意するのが面倒だったので用意してませんが、
軽く解説しておきます。

基本的に絞りはボケや明るさを操るために調整するものですが、
実は少なからず画質にも影響してきます。

その要因となるのが
収差回折現象(小絞りボケ)です。

収差というのは細かく解説すると小難しい話になってくるので割愛しますが、ぶれたように流れたり、色が滲んだり、だぶって見えたりする諸々の現象の総称を収差と言います。
詳しく知りたい人は自分でググってください。

この収差はレンズの開放F値に近いほど多くみられ、絞ることで改善されます。

では絞れば絞るほど画質が良くなるのか?というとそうでもなくもう1つ厄介な問題があります。
それが回折現象(小絞りボケ)です。

これまた詳しく話すと小難しい話になるので割愛して、どんな現象かというと絞れば絞るほどに解像感が低下してピントは合ってるはずなのに、なんだかボケたようなもやっとした写りになってくる現象です。

大体のレンズでは開放F値から2段~3段絞った辺りまでは回折現象による解像感の低下より収差の軽減による画質の向上が上回るので、一般的にレンズの開放F値から2段ほど絞った辺りがそのレンズで一番画質が良い状態になると言われています。

とはいえ最近のレンズは性能が良く、
こんな記事読んでいる人がそこまで
シビアに画質を気にしてるとも思えないので、
そんなに神経質になる必要はないです。





さて、長くなりましたが、
今回はここまで

次回はいつになるやらですが、
また気が向いた時に更新します。

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